カーコーティングの効果と綺麗に保つコツ
近年多くの方がカーコーティングを利用するようになりました。ディーラーでの見積り時にコーティングを入れている方も多いのではないでしょうか。今回はカーコーティングの効果と綺麗に保つコツについてコーティングのプロから見た意見を書いていきたいと思います。
防汚効果を付加する
これは当店の代車を洗車した時の画像です。当店では洗車の手順として、「①高圧洗浄機による予洗い(傷の原因になる表面の砂塵落とし)」➡「②シャンプー手洗い洗車」➡「③塗装面拭き上げ(簡易コーティングによる犠牲皮膜保護)」➡「④ブロアとクロスによる細部水切り」を行ない、傷付けない洗車で汚れの付きにくいボディーに仕上げていきます。代車は10年落ちですが、軽研磨とグロスアーマーを施工して洗車時には毎回犠牲皮膜を作成していますので、高圧洗浄機による予洗いで画像のように表面の汚れの大部分が流れ落ちてくれます。(ドア上半分予洗い済み、ドア下半分実施前)
このように汚れが付きにくく落ちやすい塗装面にすることがコーティングの効果になります。イメージ的には、コーティング未施工では4週間程度で汚れが固着していくのに対しコーティング施工済みでは6週間程度固着するまでの期間を延ばすことができる、ということになります。固着までの期間が延びたことで、付いた汚れを洗車によって落とすことができる期間が延びることになります。このことが、傷付き防止(落としにくい汚れを無理にこすり落とすことで傷付けてしまうことを防ぐこと)と、汚れにくさの維持(目に見えない固着がさらなる汚れの蓄積を生んで汚れやすい塗装面になることを防ぐこと)につながります。結果としてコーティングを施工すると汚れにくくなることになります。
結構高価なコーティングでたったこの程度の効果かと思われる方もいらっしゃるでしょうけれど、実際にグロスアーマーを施工した塗装面を触れると(もしくは洗車等でスポンジを滑らせると)表面の滑らかさはびっくりするくらい明らかに違います。このくらい違って初めて、汚れが固着するまでの期間延長という効果が出てくることになります。だからこそ、コーティング前に研磨によって塗装面をできる限り滑らかにしておくことでコーティングの効果が高まります。新車でも、製造、検査、輸送、架装、保管、洗車、等の工程でいろいろな環境を経てきているので、研磨によって本来の塗装面に戻してあげてからコーティングを施工することに効果があります。
綺麗に保つコツ
コーティングを施工していても長い間汚れを放っておいたり、洗車機等で知らないうちに汚れやすい塗装面の状態になっていたりすると、コーティングの効果が発揮されずに気付けば汚れが蓄積し固着していることがあります。そうすると予洗いでは表面の細かい汚れが落としきれず、シャンプー洗車の工程に持ち越してしまいます。この状態で選択できるのは、シャンプー洗車である程度物理的に汚れを落とすか、傷を付けない程度の洗車に留めて次回以降短い間隔で洗車をして何回かに分けて汚れを落とすか、になります。
よく期待してしまうのは、コーティングをしたから汚れが付かないとか、水を流せば汚れが簡単に落ちてくれる、というものです。まったく当たっていないとは言えませんが、コーティング施工後何もせずに長期間その状態が持続することはありません。やはり綺麗を保つには、汚れた分以上に汚れを落としてあげること、その時に傷(見えないくらいの小傷)を増やさないようにして、汚れが固着しにくいようにひと工夫(犠牲皮膜を作ってあげたり、細かい隅までブロア等で水を切ったり)してあげることだと思います。
まとめ
コーティングの効果は防汚効果。その内容は、汚れが落ちやすく付きにくい塗装面にすること。
綺麗を保つコツは汚れた以上に汚れを落とすこと。その時に、傷を付けないことと汚れにくいようなひと工夫。
最後に、撥水は見た目にわかりやすくて人気がありますが、ウォータースポット形成までの期間が早くマメなお手入れが必要になる感じがあります。特に雨降り後には毎回洗車をするように謳っているところもあると聞きました。もちろん雨降り時のコロコロとした水玉は見た目にもコーティングをしている!という実感があるので人気なのだと思います。その反面お手入れが大変になるし、怠ると研磨じゃないと除去できないようなウォータースポットができてしまうというリスクがあるのはとても厳しいと思いました。
また機会がありましたら、気付いたことや思ったことをブログに書きしたためたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。