スバル、レガシーB4、ホワイトに標準研磨とグロスアーマーをご用命いただきました。
購入時からボディーの上面、ボンネット、ルーフ、トランクに亀の甲羅状のひび割れが発生していたとのこと。現状確認のご相談から、標準研磨とグロスアーマー施工にてできる限り状態をよくする方向で対応することとなりました。
追加でガラスのウロコ取り研磨も同時に行っていきます。
まずは現状確認から
一見すると綺麗に見える塗装面です。ご相談の亀の甲羅状のひび割れを見ていきます。
ボディーの上面全体がこの状態に劣化しています。クリア層の表面のみこの状態であれば、研磨で除去可能です。ただし、その場合も闇雲に削り落とすのではなく、クリア層の役割である紫外線からの保護を最大限残すために、バランスを見て研磨していきます。
それ以外にも、ヘッドライトの上面やリアドアのサッシュ部分にもウロコ状のシミがビッシリと固着しています。
通常の洗車で汚れを落として、ガラスのウロコ取り研磨から
リアガラスやフロントガラスのワイパーが通らない部分がウロコで覆われています。左半分は研磨後、右半分は研磨前の状態です。
ウロコは雨が降っていない状態でも視界不良を招きます。さらに、水滴を留まらせて汚れを滞留させ、さらなるシミを発生させます。
ボディーに近いキワの部分は、マスキングして塗装面を保護するので研磨できない部分になります。ですので、できる限りウロコを発生させないことが肝心です。
ウロコ除去の研磨が完了して良好な視界も確保できました。
その他の小さな傷も研磨前に確認します
これらの小さな傷は、研磨で完全に除去できるかもしくは通常使用では気が付かない程度に目立たなくすることができます。
深い傷になると研磨での傷の除去自体は難しくなりますが、傷のささくれ部分を滑らかにすることで目立たなくすることができます。
保護すべき部分をマスキングして研磨していきます
専用ケミカルによるシミの除去を実施した後、研磨に取り掛かります。
ただし、電動工具を使用しての作業になるので、保護すべき部分にはマスキングテープを貼り付けして準備していきます。
保護すべき部分は主に、塗装面のエッジ、エンブレム等の細かい部品、プラスチックやゴム部分、狭い隙間などです。
塗装面の状態を見ながら最適解を求めて研磨
修業時代に研磨はセンスとよく言われました。その時は研磨、つまり電動工具を使って削る技術のことを言われていると思っていました。しかし最近思うようになったのは、どの状態の塗装面を、どの程度手を入れて、どのように仕上げるか、ということだと思うようになりました。
ご満足いただけていれば幸いです。
細かい部分も綺麗になるとより引き締まる
ボンネットやフェンダー等の大きな部分が綺麗だと輝いて見えます。さらにグリルやモール、ヘッドライト等の細かい部分まで綺麗な状態だと引き締まって見えます。
汚れや傷やシミを除去して元の状態に戻してあげることだけで、このようにまるで生まれ変わったかのように綺麗になります。
この状態にまで戻して、本物のコーティングを適切に施工することで、見違えるように艶が増していきます。
塗装面に染み込んでガラス化するグロスアーマーは現状最適解
今回はなんとか塗装面の深い部分までの劣化ではなく、研磨とグロスアーマー施工で元の状態に近づけることができました。
原因を推察すると、恐らく市販のコーティング剤を施工する際に使用料を多めにしてしまったか、炎天下等の厳しい条件で施工をしたかだと思われます。
効果の強いもの(強い効果を謳っているものや、簡単施工を謳っているもの)は、施工環境や使用方法を誤ると取り返しのつかない結果になることがあります。
今回も塗装面の奥まで劣化が進んでいれば、研磨しても綺麗な仕上がりにはならず、最悪の場合は再塗装が必要な状態だったかもしれません。ですので、効果の強いものほど慎重に取り扱わなければいけません。
また、中古で購入したお車で後からおかしな状態に気付くこともあると思います。その際はお近くのプロのお店に相談してみてください。解決策が見つかるかもしれません。
私は施工して終わりのコーティングではなく、お客さまの利益を一番に考え、お客さまの真の願望である「ずっと綺麗な状態で愛車に乗っていたい」を叶え、お困りごとを極限まで少なくしたいと考えています。そのために、ご自分でも可能な愛車のメンテナンスのノウハウや便利な道具をご提供していきたいと思います。
今回は数あるお店の中から当店と私を選んでいただき、大変ありがとうございました。これからもお役に立てるよう精進して参ります。